第56回 新潟広告協会
新潟広告賞入賞作品

新潟県内で制作された優れた広告作品を顕彰し、地域広告のレベル向上を図ろうと昭和34年に創設された「新潟広告賞」。56回目の今回は近年最多の267点の応募がありました。2月14日の厳正な審査を経て、選ばれた入賞作品は以下の通りです。

応募総数267点の内訳 新聞広告部門      42
グラフィック部門    93
テレビCM部門     99
ラジオCM部門     24
インターネット部門    6
部門外          2
審査委員長弦間 一雄氏(大阪経済大学教授)
審査委員 石川 竜太氏(アートディレクター、デザイナー)
落合 達男氏(コピーライター)
松永 由佳氏(フォトグラファー)
高橋 正秀(新潟広告協会理事長)
講評

新潟から未来へ、新潟から全国へ、発信できるクリエイティブを選ぶ。新潟から未来へ、新潟から全国へ、影響を与える広告賞でありたい。審査員一同、そんな気持ちを持って審査に臨みました。広告表現がメディアテクノロジーの進化に必死に追いつこう、できれば追い抜こうとする試みを数多く見ることができました。アプリケーションを用いて作られたテレビCMがグランプリを受賞し、スマートフォン用のアプリケーションがインターネット部門から初の優秀賞になりました。今後、新潟独自の表現力や表現手法が加わってくると全国をリードする広告賞になれる。そんな可能性さえ感じられた今年の受賞作と新たな制作潮流だったと思います。
審査委員長 弦間 一雄氏(大阪経済大学教授)

グランプリ

“すもっと”でさがそう篇

広告主㈱鳥屋野不動産
同制作社賞㈱ジョーメイ
部門 テレビCM部門
品評コメント

これ面白い。また観たいな。そう思ったTVCMがまた偶然テレビから流れてくるのを心待ちにしている。そんな時代もあった。今では面白いと思ったTVCMは動画投稿サイトにアップされていることがほとんどで、さらにはSNSで拡散されていることも多い。このようにしてテレビでオンエアされた何倍もの広告効果を生み出す。2年ぶりのグランプリを獲得した本篇は、まさにそんな作品。全篇がジングルで耳に残る音構成。粗いコマ抜きのようなイラストのコミカルな動き。テレビ、パソコン、スマホといったマルチスクリーン視聴に適合した表現の力を審査員一同大きく評価した。

新聞広告部門

優秀賞

越後一知恵~未来をつなぐ新潟の誇り~

広告主 新潟県民共済生活協同組合ほか15社
制作社 ㈱ワーク・ワンダース
コメント

新潟市で開催された新聞大会当日に発行された広告別刷特集。昔からの越後の知恵と、そこから広がる新潟の未来を紹介した。10年後の自分にはがきが届く「ドリームメールプロジェクト」も反響が大きかった。

奨励賞

極上吉乃川

広告主 吉乃川㈱
コメント

長岡大花火の当日に掲載。2人の後ろ姿が「次のドラマ」を連想させる。表情は見えないが、日本酒が取り持つ縁と絆の強さ、そして「長岡が最も熱く燃える夜」をアピールしている。

第四銀行のロゴマークは

広告主 ㈱第四銀行
コメント

堅いイメージがある新潟県内トップバンクが、「10代のみなさんへ」向け、トリビア(雑学的な豆知識)を問いかけることで親近感を高めた。10代だけでなく、中高年にとっても新鮮なトリビアとなった。

歴史的な旨さ

広告主 料亭 一〆
コメント

うなぎの老舗料亭「一〆」の140年の歴史を店名「一〆」を横に反転させて140年に組み込んだアイデア広告。シンプルさが、140年の「歴史的な旨さ」を強調している。

グラフィック部門

優秀賞

うまい!は、すぐそこ。[イカ寿司]

広告主 新潟ブランドイメージ発信実行委員会
制作社 ㈱新潟博報堂・㈱博報堂
コメント

大胆な構図で撮影された「いか」のにぎり寿司。それを説明するコピーは添えられていないが、どう見ても新幹線。大胆な構図と秀逸なアイデアが光る作品である。

奨励賞

第17回全国闘牛サミットin長岡大会

広告主 全国闘牛サミットin長岡大会実行委員会
コメント

迫力のある闘牛のイラストが印象的な作品。特に目新しさはないが、少ない色で巧みに表現されたインパクトのあるポスターである。

富士タクシーはアプリで呼べる

広告主 富士タクシー㈱
コメント

タクシーをアプリで呼べるという新しいサービスを、昔ながらの4コマ漫画でユーモラスに表現。漫画の完成度も高い作品である。

テレビCM部門

優秀賞

「新潟市市長選挙テレビ音声」篇

広告主 新潟市選挙管理委員会事務局
制作社 ㈱電通東日本新潟支社・㈱イマジネイティブ・ムービーズ
コメント

アイデア次第で、大掛かりな仕掛けがなくとも優れたCMが作れることを実証した秀作。堅くなりがちな選挙CMを日常の何気ないシーンとからめたところも高評価につながった。

奨励賞

こしいぶき こしいぶきダンス篇

広告主 全国農業協同組合連合会新潟県本部
コメント

コミカルなダンスとシンプルなフレーズが印象的な作品。コシヒカリよりマイナーなこしいぶきというブランドを、子どもの目線から表現した手法も評価された。

VIPシティホールアニメーションサプライズ編

広告主 ㈱ビップ
コメント

葬儀といういささか生々しい題材が、アニメーションを使い温かみの感じられる作品に仕上がっている。「悲しみよりもぬくもりが残りました」というコピーの評価も高かった。

「山の父」篇

広告主 (一財)健康医学予防協会
コメント

清々しく心地良い余白のある映像。決して新しい手法ではないが、細部に渡って丁寧に作られていて制作者のセンスが感じられる作品である。

ラジオCM部門

優秀賞

WX「放送中に」篇

広告主 ㈱コロナ
制作社 ㈱電通東日本新潟支社・㈱ティー・ワイ・オー
コメント

ラジオCM20秒という長さを使い、製品の特徴を印象深く表現している点に評価が集まった。7秒で着火というメリット訴求を効果音とブランクを織り交ぜながら実現し、ナレーションのインパクトも絶妙だった。

奨励賞

スマホ依存症 出世篇30秒

広告主 新潟県青少年健全育成県民会議
コメント

新潟県民おなじみのタレント2人を使い、スマホ依存の落とし穴を掛け合いで表現。子どもが陥りがちなスマホ依存症を、大人の問題としてオチを付けて結ぶシナリオの巧妙さも高い評価を集めた。


クルマのテーマパークほか9篇

広告主 ㈱ガリバーインターナショナル
コメント

10篇によるシリーズ広告は、クライアントの訴求点毎に構成されバリエーションも豊富。自動車販売に「親」と「子」の切り口を設けた「ハイハイレース」「ミニバンフェア」は特に高い評価を集めた。

インターネット部門

優秀賞

Viewty YUZAWA

広告主 (一社)湯沢町観光協会
制作社 ㈱新潟博報堂
コメント

今や広告は持ち歩く時代。このアプリケーションで計画を立て、このアプリを見ながら観光。旅行後はアプリに思い出が貯まっていく。映像の美しさ、操作性とレスポンスのよさ。観光アプリの見本になる表現を高く評価した。

奨励賞

にいがた郷土料理ワンダーランド

広告主 ㈱越後製菓/㈱第四銀行ほか
URL http://daidoco.net/niigatalocal/
コメント

郷土料理の魅力を若者たちに知ってもらおうというメディアイベント。新潟日報の別刷「T型日報」とシンクロさせた特設サイト。実際に料理を作るというリアリティーまで加味されたクロスメディアな試みが広告の可能性を広げたと評価した。