第57回 新潟広告協会
新潟広告賞入賞作品

新潟県内で制作された優れた広告作品を顕彰し、地域広告のレベル向上を図ろうと昭和34年に創設された「新潟広告賞」。57回目の今回は昨年とほぼ同じの260点の応募がありました。2月13日の厳正な審査を経て、選ばれた入賞作品は以下の通りです。

応募総数260点の内訳 新聞広告部門      44
グラフィック部門    83
テレビCM部門     90
ラジオCM部門     26
インターネット部門   13
審査委員長弦間 一雄氏(大阪経済大学教授)
審査委員 落合 達男氏(コピーライター)
小島 信洋氏(クリエイティブディレクター)
松永 由佳氏(フォトグラファー)
高橋 正秀(新潟広告協会理事長)
講評

世界的な広告の大きな変化が、新潟にも確実に押し寄せてきています。「WHITE PEACE Project」とグランプリを最後まで争った「水と土の芸術祭2015」は、見事なクロスメディア展開をしていました。インターネット部門ではエントリー数が増えただけではなく、オンライン動画広告が一気に増えてきました。今回の審査ポイントは「子どもや若い人たちの広告に対する憧れを作る」「広告によってメディアの魅力を高める」、この二つにしました。そんな中で今年は紙媒体である新聞広告部門とグラフィック部門に新風を感じました。世界的な広告の変化に新潟らしく応える。この新潟広告賞から世界に飛び出すクリエーターや広告表現が生まれることを願います。
審査委員長 弦間 一雄氏(大阪経済大学教授)

グランプリ

戦後70年県民キャンペーン「WHITE PEACE Project」

広告主計53社による連合広告
制作社(株)ストライク
部門新聞広告部門
コメント

久々に新聞と新聞広告が人の気持ちを強く揺り動かした。戦後70年と平和を願う白一色の花火「白菊」という強いメッセージ。新潟県内の企業や団体53社の賛同と30の市町村の参加を実現させた絆と行動力。それらを見事に体現した強く美しい新聞広告。マルチページで展開された「WHITE PEACE Project」の新聞広告は、確実に新聞というメディアの魅力を高めた。そして間違いなく子どもや若者たちに、こんなキャンペーンに参加したいという憧れを抱かせたはずだ。新聞広告が本来持っていた迫力と美しさとメッセージ性は将来に向けても進化していける。そんな思いを再認識させた表現と活動を審査員一同大きく評価した。

新聞広告部門

優秀賞

ありがとうの包み紙

広告主吉乃川(株)
制作社(株)電通東日本新潟支社
コメント

大みそかも迫った師走の29日付紙面で1 年のご愛顧を込めた全P広告。雪がしんしんと舞う写真からは越後人の温もりが伝わってくる。包み紙として使える広告は、紙媒体としての新聞広告の価値を高めた。

奨励賞

お歳暮全5段広告(2回シリーズ)

広告主(株)新潟三越伊勢丹
コメント

「包み紙」をテーマにしたモノクロ・イラスト広告から、母と子の会話が聞こえてきそう。百貨店から届くお歳暮が、家族に幸せをもたらすドラマ仕立てのストーリーが、活字媒体である新聞広告の真骨頂だ。

千年鮭 喜っ川ブランド広告

広告主味匠 喜っ川
コメント

天井から吊された村上の塩引き鮭の姿は壮観だ。平安時代から伝わる伝 統の重みが、紙面全体から伝わってくる。上質な文化と風土が脈々と受 け継がれてきた歴史を感じさせる力強い作品になっている。

Message of Peace

広告主長岡市・公立大学法人長岡造形大学
コメント

平和の長岡花火・白菊を終戦記念日に米国ホノルル・パールハーバーで打ち上げる広告。真珠湾攻撃を指揮した連合艦隊司令長官・山本五十六の出身地・長岡とホノルル。今は姉妹都市でもかつては敵味方。壮大なドラマを人文字で描いた力作だ。

グラフィック部門

優秀賞

水と土の芸術祭2015

広告主水と土の芸術祭2015実行委員会
制作社(株)新潟博報堂・(株)博報堂
コメント

ロゴと画像を大胆に組み合わせた迫力ある秀作。土の匂いが漂ってきそうな臨場感とシリーズとしてのバランスにも優れている。デザイナーの力量を感じた作品である。

奨励賞

のびろ、にいがた。

広告主(株)第四銀行
コメント

顧客であろう人々の営みを素直に表現した連作。地元に根付いた銀行が、人々に寄り添い応援するイメージが伝わってくる。ひとりひとりが新潟の未来を担っていると思わせる力強いコピーもいい。

北雪は、ここまで来た。北雪は、どこまで行けるか。①

広告主(株)北雪酒造
コメント

黒地に赤い瓶とのコントラストが目を引く作品。シンプルであるがゆえの、細部への配慮にセンスを感じる。商品を独特な目線から捉えた視点の意外性も心に残る。

「水の造形」を見つけよう!長岡水道公園「配水塔」見学告知ポスター

広告主公立大学法人長岡造形大学
コメント

長岡市ではおなじみの配水塔をシンボリックに捉えた作品。見ているだけで楽しい気分にさせてくれる。切手を模した文字の配置や紙面の捉え方がより完成度を高めたと好評だった。

テレビCM部門

優秀賞

Message of Peace

広告主長岡市・公立大学法人長岡造形大学
コメント

大学生と子ども達が参加して造り上げた「ヒト花火」。ドキュメンタリータッチで制作過程を追い、ラストは俯瞰からの花火がはじける。長い道のりを丁寧に切り取り、クライマックスで見事に花開いた作品である。

奨励賞

水と土の芸術祭2015「落とす篇」

広告主水と土の芸術祭2015実行委員会
コメント

真っ白な画面で繰り広げられる、ハイスピード撮影による水と土の映像美が秀逸。シンプルで強烈、かつアーティスティックな演出が興味と期待感を抱かせた

のびろにいがた篇

広告主(株)第四銀行
コメント

笑顔で綴られたスライスオブライフシーン。よくあるタイプだが「のびろ、にいがた」のコピーの上手さと、無音でインサートした演出で、親が子を愛でるような想いの丈を銀行に感じさせた。

ボールボーイ篇

広告主(株)新宣
コメント

プロにお任せというお題を、的外れなキャディーが演じるゴルフシーンで展開。映像、演出ともに細部まできちんと計算された完成度の高い作品であった。

商店街篇・廃校篇・棚田篇

広告主(株)新潟日報社
コメント

リアルな訴え、叫び、語り…が聞こえない。表情から推測する。内容が気になる。視聴者の心理に直球で挑む、コーナーギリギリの配球ではあるが、新聞のもつ使命と責任を再認識させる作品であった。

ずっとこの街にいがたと

広告主岡三にいがた証券(株)
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ドローンによる俯瞰映像がなによりも美しい作品である。スタッフのこだわりと根気が各シーン毎にひしひしと伝わる。上から見下ろすというアングル効果だけではなく、高い映像美に評価が上がった。

ラジオCM部門

優秀賞

該当なし

奨励賞

スカウト篇

広告主アットホームパチンコ ニューラッキー
コメント

「街でモデルにスカウトされるラッキーはまずないけれど、ここにはあります」。店名を織り込んだ夫婦の日常会話が、楽しく遊べるパチンコをイメージさせる。どことなく昭和チックなBGMも親しみを誘う。

錦鯉篇

広告主東京海上日動火災保険(株)
コメント

地元アーティスト「ひなた」の曲に乗せ、旧山古志村で錦鯉の養殖を続ける父と子にインタビュー。被災から復興へ、挑戦する人々に寄り添いともに歩んできた企業姿勢を好感度高くアピールしている。


WOW!TOWN!家族篇(全9タイプ)

広告主(株)ガリバーインターナショナル
コメント

前回も奨励賞受賞の、家族の会話で構成されたシリーズ作品。店内で開催されるイベントを盛り込み「クルマのテーマパーク」らしいワクワク感を出している。クラクション音と男女2人の子どもの声が耳に残る。

インターネット部門

優秀賞

にいがた☆JIMAN!

広告主「東アジア文化都市2015新潟市」実行委員会
制作社(株)新潟博報堂
URLhttp://www.niigata-ad55.jp/prize_27.html
コメント

Negiccoが「もったいなーい!自慢しよう」と歌って踊るムービーは、新潟市の観光メッセージだけでなく、新潟市民に向けて誇りを持とうと語りかけてくるパワーがあった。ラスボス小林幸子の起用も効果的だった。

奨励賞

NIIGATA(ここ)から始まるミライがある

広告主新潟商工会議所
URLhttp://www.niigata-cci.or.jp/ngt48/
コメント

注目を集めるNGT48の3人を起用し、彼女らの目線で、新潟への期待や日常的に感じる素晴らしさを伝えるムービーのクオリティの高さが評価された。未来への共感を呼ぶメッセージも親近感があり効果的だった。

水と土の芸術祭2015webサイト

広告主水と土の芸術祭2015実行委員会
URLhttp://www.mizu-tsuchi.jp/
コメント

モバイルとPCサイトともに同じインターフェースで、インパクトと直感をキーワードにアクセスを高めるデザインが秀逸だった。次が見たくなる仕掛けもあり、芸術祭の多様さを小気味良く表現するサイトとして評価が集まった。