第65回 新潟広告協会
新潟広告賞入賞作品

新潟県内で制作された優れた広告作品を顕彰し、地域広告のレベル向上を図ろうと昭和34年に創設された「新潟広告賞」。65回目の今回は220点の応募がありました。2月3日の厳正な審査を経て、選ばれた入賞作品は以下の通りです。

応募数 新聞広告部門      30点
グラフィック広告部門  52点
テレビCM部門      54点
ラジオCM部門      36点
WEB動画部門       48点
審査員長 佐々木 圭一氏(上智大学非常勤講師・クリエイティブディレクター)
審査員 渡辺 奈美子氏(アートディレクター、デザイナー)
迫   一成氏(グラフィックデザイナー)
丸山  健太氏(空間演出プロデューサー)
井嶋   猛 (新潟広告協会理事長)
講評

マスクをした生活から解き放たれたこの1年。やれなかったことを、思い切りできる環境が整いました。今年の審査基準は「チャレンジ」と「人を動かす」です。撮影や企画に制限がなくなったいま、思い切って今までにない「チャレンジ」ができた作品であるか。そして、広告の絶対的な目的である、「人を動かす」ことができるクリエイティブか。今年は、審査の中でたくさんのディスカッションが生まれました。その中でも、新潟に新しいチャレンジが始まるような、そんな勢いをもった作品たちが選ばれました。



審査員長 佐々木圭一(上智大学非常勤講師/クリエイティブディレクター)

グランプリ


くちゅした 篇
広告主 (株)山忠
≪制作社賞≫ (株)エフエムラジオ新潟
部門 ラジオCM
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音だけで勝負するラジオ部門。その特性を見事に生かして、1秒たりとも余計な要素がない完璧な演出だった。審査の過程で何度も聞いてみたが、毎回変わらず笑えるし、セリフも間のとりかたも芸術的だ。今年、新潟でもっともチャレンジングな作品だったと思う。「既存のルールを変えて、新しいチャレンジをしよう」という新潟広告賞からのメッセージと重なるグランプリだった。関係者のみなさま、おめでとうございます。

新聞広告部門

優秀賞

この一本に、感謝をこめて。
広告主 菊水酒造(株)
≪制作社賞≫ (株)パブリシティコア
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15段を思い切って使った、新しいパッケージのデザイン。QRを読み込むと、なんと新発売までのカウントダウンが…。思わず発売までの時間を想像し、その当日には買っている人がいるだろう。人を動かす優れた広告だった。

奨励賞

コメリのリフォーム、はじまります。
広告主 (株)コメリ
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今年、新聞広告部門でコピーが最も輝いていた作品。確かに、リフォームをするのに、色々と躊躇する理由があると思う。「なんだろう、何が書かれているのだろう」と思わせる、中身を読みたくなる広告だった。

へぎそばで、おいしさ つなぐ。みんなを つなぐ。
広告主 (株)小嶋屋総本店
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去年も奨励賞を獲得した小嶋屋総本店。変わらず受賞するのは、これを見た審査員に「食べに行きたいな」と思わせる力があるから。この広告を見た人たちも同じことを思ったのではないだろうか。

二酸化炭素って、宝もの!?
広告主 三菱ガス化学(株)
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世の中で、悪者扱いされがちな二酸化炭素が、「宝もの」とはどういうことだろうと、じっくりと中身を読ませる広告だった。この時代、文章が長いと読まれないものだが、見事にそのハードルを突破している。

新潟大学工学部100周年記念広告
広告主 新潟大学工学部
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気持ちいい空のビジュアル。工学を感じさせる文字の集合が鳥のデザインになっていて、美しい広告だ。

亀田郷を作った男 佐野藤三郎生誕100年広告特集
広告主 佐野藤三郎生誕100年記念事業実行委員会ほか20社
コメント

マンガのコマの選び方が見事で、何が書かれているのだろう?と気になる作品群だった。同じモチーフながら広告主が違っているのも、制作者と営業の努力を感じさせた。

グラフィック広告部門

優秀賞

にいがた、日本一。
広告主 (株)INPEX
≪制作社賞≫ (株)新潟博報堂/NEXT TYPE
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新潟駅前にある自社屋工事現場の仮囲いに掲示したグラフィックデザイン。新潟の日本一のあれこれが分かりやすくドーンと飛び込んでくる。出品される前に見たことがあり、駅前にふさわしいデザインだと感嘆していた。仮囲いが終わっても残してほしいような景観も意識された。県民の生活を支えるエネルギー会社らしい取り組みだと思う。

奨励賞

粟島島民募集4連ポスター
広告主 粟島浦村
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粟島浦村へ行きたい!と思う、心動くポスター。しかしよく見てみると、ふるさと納税でデジタル島民になれます、というもの。古さや田舎という空気感がないところがよい。時代にあった支え合いのきっかけとなる作品だと思う。

ガタガタ言うなよ!これがニイガタ!!
広告主 東日本旅客鉄道(株) 新潟支社
コメント

蟹や背脂ラーメンなどインパクトのあるビジュアルと「ガタガタ言うなよ」のコピー。新潟の「ガタ」がかかっているわけだが、あれこれ言わず1つをドーンと推す潔さがよい。駅で見かけたが目に飛び込んできたのを覚えている。

ぎりぎりアトラクションオールスターズ_告知ポスター/
ぎりぎりアトラクション_スモークメリーゴーランド_告知ポスター/
ぎりぎりアトラクション_推し活大観覧車_告知ポスター/
ぎりぎりアトラクション_プッシュdeミスト_告知ポスター
広告主 サントピアワールド(株)
コメント

数年前から見ているインパクトのあるものだが、毎年新しいものが誕生しているようだ。特徴ある気になっちゃうイラストと、アトラクションの内容が言い訳のようでいい。園内でもPOPのように活躍する機能性の高い仕事だ。

Dear
広告主 (公社)新潟県観光協会
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県の観光誘致の大判ポスター。行ってみたいなと思う空気感の写真が印象的。あれもこれも掲載するのではなく、温泉好きや自転車好きなどそれぞれに向けて、お薦めの手紙のようなテキストを添えている。駅などで見かけたいポスターだ。

子育てするなら燕市で 4連ポスター
広告主 燕市広報秘書課
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サッカー選手を起用した、燕市の子育て支援の告知ポスター。120を超える支援があることを知ってびっくりした。誕生から成長への長い期間にわたり、子育ての不安を和らげてくれる街だと伝えるきっかけになっていると思う。

テレビCM部門

優秀賞


共栄鍛工所 工場長 45秒/ ゾンビ 45秒
広告主 (株)共栄鍛工所
≪制作社賞≫ CONNECT FOLK
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ゾンビは不気味、工場長は偉そうでちょっとキモい。ほかの人物はユーモラスで、そのギャップが個々のキャラを引き立たせる。万人ウケを狙わず、刺さる人にだけ理解してもらえばいいと割り切った痛快な作品。独自の技術を売りにする企業ブランドがガツンと伝わってくる。

奨励賞

帝京長岡高等学校TV-CM「夢がひとつじゃもったいない」篇 30秒
広告主 帝京長岡高等学校
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将来の夢や進路を決めきれない高校生は多い。型にはまる必要はなく、選択肢の中から在学中にベストな道を見つければ、学校はしっかりサポートしていくことをうまく伝えている。躍動感と希望に満ちた大切な3年間はここで送れる。そんな可能性を感じさせる。

人権週間「言葉の雨」編
広告主 新潟県
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人を傷つけるコトバを“言葉の雨”と表現し、雨は矢のように鋭く、不規則な方向から文字どおり矢継ぎ早に降り注ぐ。傘を突き刺し通り抜けて、少女に刺さる恐怖の切迫感が15秒にちりばめられている。見る者はその矢が自分に降りかかる場面を想像し、自省するだろう。

コメリリフォーム 子どもリポーター
広告主 (株)コメリ
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かわいらしい女の子がテンポよく売り場をリポートするシーンは、ほんわかとさせられる。子どもの目線の低さと分かりやすいコトバづかいに親しみをおぼえ、どんなリフォームでも身構えず、気軽に相談してほしいという発信側の意図が伝わってくる逸品。

朝日山 千寿盃 篇
広告主 朝日酒造(株)
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酒づくりは実に多くの工程があり、それに関わるすべての人たちの深い愛情がジーンと伝わってくる。こうして出来上がった酒はうまいに決まっている。ちょっと気の利いた料理と、愛がこもったお酒とともに、大切な人とかけがえのない時間を共有したくなる、愛に満ちた作品。

JA中央会 農業が好きだ。金子篇 15秒
広告主 新潟県農業協同組合中央会
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農産物豊かな佐渡の中で、決してメジャーでないミカンだが、丁寧に手塩にかけて育てている様子が伝わってくる。生産者の飾らず自然体、遠慮がちな動作とコトバ、控えめな様子も好感を呼ぶ。佐渡のミカンを応援せずにはいられなくなる。

ラジオCM部門

優秀賞


どっちに聞こえた?篇 改訂
広告主 市川工業(株)
≪制作社賞≫ (株)エフエムラジオ新潟
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シンプルな一言のみの繰り返しが印象深く、その後に続くナレーションでもう一つの意味に気付かされる。ラジオの特徴を巧みに使った仕掛けでリスナーの心をうまく掴んでいる。

奨励賞

「朝食」篇/「大浴場」篇/「コミックルーム」篇(3タイプ)
広告主 (株)新潟第一ホテル
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主人公がホテルを満喫している様子が、3編それぞれのエピソードから存分に伝わってくる。ホテルの紹介にからめた主人公のクスリと笑えるストーリーも楽しく、親近感が湧き、泊まってみたいと思わせる。

ある朝起きたら…恐竜 篇/ある朝起きたら…新撰組 篇/知らない ご挨拶 篇/知らない 合コン 篇
広告主 アイビス技建(株)
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環境を考える企業であることを、いろいろな時代や奇想天外なシーンから落とし込んだところが新鮮で面白い。現代の“知らない”編のやりとりからも、企業の姿勢がほっこりと伝わり、認知度やイメージアップにつながっている。

【連作】家、いるね。女の子 篇/家、いるね。男の子 篇
広告主 あしなが保険(株)
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夫婦のやり取りがテンポよく耳に入り、その流れから説明までの落とし込みが気持ちよく、秀逸である。 男の子、女の子バージョンで、それぞれの家庭により具体的にイメージがわき、サービスをうまく伝えている。

おにぎりといえば、アレ 篇
広告主 (株)カネタ・ツーワン
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軽快なリズムが耳に飛び込こみ、その後に続く家族のやりとりが楽しい気持ちにさせる。 全体を包む明るくうきうきした雰囲気に「ノリノリ」というワードがぴったりハマり、商品名と繋がるのが秀逸である。

WEB動画部門

優秀賞

「父からのメッセージ」篇
広告主 ナミックス(株)
≪制作社賞≫ (株)ジョーメイ/(株)ロボット
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「伝えたい思い」は時代とともに手法は変化しながらも不変のもの。後半の「頑張れ」の後に続く「愛」が露呈し目頭が熱くなった。気持ちの伝わり方が希薄と言われる現代のコミュニケーション手法。しかし、映像を通じ「深い愛」を伝える確かな技術と誇りを感じた。大人から子供まですべてが愛を感じ、感動できるショートムービー。

奨励賞

村上市観光PR動画~村上街歩き~
広告主 村上市
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歴史と情緒、そして空気感を感じる美しい村上市の街の描写。その描写に重なる透明感のあるモデルとの融合が素晴らしい。歴史ある街の景色とモデルとのコントラストは、村上の町をまったく新しく、新鮮に映し出し、不思議な感覚へと誘う。

What a Good Day Today
広告主 新潟県司法書士会
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普段は現実から目を背けたくなる親の死や遺言。先立つ者と、残される者との思いが短い動画に詰まっている。動画から想像できるそれぞれの思い、そしていざその時になり頼れる存在があることを、抽象的ながらも強いメッセージで心に伝えてくる。

E453-112“今日も明日もいい日になりそうだ”
広告主 (株)コロナ
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歴史を感じる重厚なセットとモデルから始まり、懐古的な描写と絶妙なテロップはこの型の新幹線をよく知らない視聴者さえも虜にする。映像後半に現れる製品とBGMのコントラストはこの新幹線に馴染み深いわれわれはもちろん、以外の視聴者にも購買欲をきっと湧かせるはずだろう。

CORONA エアコン Relala 暖房訴求 怪談師バージョン
広告主 (株)コロナ
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冒頭からグッと引き込まれる恐怖に満ちた語りから、一気に切り替わる描写は圧巻。怪談・快暖のメッセージも、「まさか、そうきたか」と最後までしっかり押さえてくる。WEB動画は最初のきっかけが重要ということが理解できることだろう。

新潟理容美容専門学校(RIBI)プロモーション動画 2023-2024
広告主 (学)新潟理容美容専門学校
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将来の夢や未来を描けない、そんな現代の若者のリアルなメッセージを描きながら、不安だらけの学校生活を仲間と乗り越え、やがて自分の夢に目覚めて進み始める若者の姿に勇気をもらった。それぞれの夢に悩むすべての若者に、この映像を捧げたい。