第58回 新潟広告協会
新潟広告賞入賞作品

新潟県内で制作された優れた広告作品を顕彰し、地域広告のレベル向上を図ろうと昭和34年に創設された「新潟広告賞」。58回目の今回は昨年を上回る299点の応募がありました。2月12日の厳正な審査を経て、選ばれた入賞作品は以下の通りです。

応募総数299点の内訳 新聞広告部門      55
グラフィック部門    89
テレビCM部門     110
ラジオCM部門     32
インターネット部門   13
その他         0
審査委員長弦間 一雄氏(大阪経済大学教授)
審査委員 石井 敬氏(クリエイティブディレクター)
小島 信洋氏(クリエイティブディレクター)
松永 由佳氏(フォトグラファー)
佐藤 明(新潟広告協会理事長)
講評

驚きの結果となった。いや当然の結果だとも言える。今年は299作品。昨年よりも30を超えるエントリーがあった。その中でグランプリにはインターネット作品が、新潟広告賞で初めて選出された。近年、海外の大きな広告賞ではデジタル作品が上位を独占することが当たり前になった。国内の広告賞でも動画広告部門やインタラクティブ部門が注目を集める。今回の審査には二つのテーマを掲げた。新潟ファーストを体現した広告。そしてメディアを魅力的にした広告。昨年は新聞広告に新しい輝きがあった。今年は新潟でもインターネットが最も輝いた。グランプリを争ったのはテレビCMであった。新潟の魅力を表現した受賞作を超える広告が増えていくことを望んで止まない。
審査委員長 弦間 一雄氏(大阪経済大学教授)

グランプリ

新潟米宣伝事業NGT48×新潟ライスガールズコラボレーションPV

広告主新潟県、全国農業協同組合連合会新潟県本部
URLhttp://niigatamai-2016.com/#sec02
制作社(株)ジェイアール東日本企画・(株)ヴィジュアルノーツ・(株)グラムロック
部門インターネット
コメント

続きが見たくなった。感動できた。白いゴハンが食べたくなった。デジタル広告は複雑化する一方である。だからこそ表現でひきつける広告にはシンプルなエンターテインメント性が求められる。受賞作は長編のストーリー動画広告である。頑張るNGT48、応援する新潟ライスガールズ、その真ん中に新潟米を炊き上げた白いゴハン。この動画を見た誰しもがNGT48を応援したくなり、新潟米を誇りに思う。そして何より審査員全員が白いゴハンが食べたくなった。

新聞広告部門

優秀賞

未来は、一日一日、つくられている。

広告主新潟工科大学
制作社(株)電通東日本新潟支社・(株)アンドテイク
コメント

企業がつくった大学には、新潟の強い未来をつくるという意思が込められているだろう。「未来は、一日一日、つくられている」というコピーは、新潟風土に根付いた大学の強い意思と、学生たちへの強い約束を秘めている。シンプルな構成ながら深いメッセージ性も審査員の好評を得た。

奨励賞

新潟と全国を結ぶガイドブック「おむす便」

広告主新潟県観光協会他
コメント

ご当地トップアイドルのNegiccoと、新潟らしさのシンボルともいえるおむすびを、観光誘致とかけた企画もの。ユーザー参加型のキャンペーンとしては秀逸でとても魅力的に映っている。みんなでつくる新しい新潟ガイドブック「おむす便」を読んでみたくなるティザー広告としても機能した。

ふるさと応援キャンペーンHello!ESSA

広告主佐渡汽船(株)他
コメント

日本の原風景といわれる佐渡には、普段なかなかお目にかかれない景色がそこかしこに転がっている。その佐渡の県内客誘致のための新聞シリーズ広告は、再発見というのにふさわしく今までなかったような新しいSADOの魅力を高め、多くの得票があった。

おかわり自由、はじまる。

広告主(株)シルバーホテル
コメント

食べ放題の告知広告ながらも、「おかわり自由、はじまる」「カンブリリアント。冬に輝くうまさ、タベホーダイ」の2つの工夫したコピーワークがユーモアとなって伝わってくる点が高評価につながった。ブリのビジュアルも続々と届くイメージとして考えられて構成している点が面白い。

広告主料亭一〆
コメント

土用丑の日に向けた毎年恒例の新聞広告。「一口目から〆まで旨い」のとても分かりやすい伝え方と、シンプルな鰻一文字は、強く目を引いた。三段モノクロ広告ながらも、他作品よりも強く印象に残る秀逸さが光っている。

グラフィック部門

優秀賞

錦鯉ポスター

広告主長岡市錦鯉養殖組合青年部
制作社(株)ネオス
コメント

白地にイラストを配した1枚と白黒写真とイラストを組み合わせた連作。それぞれにシンプルで繊細な構図が光り、グラフィックの持つ力を改めて感じさせられた。上品で格式の高い作品となっている。

奨励賞

東京新潟物語

広告主吉乃川(株)
コメント

上越新幹線に乗ると、いつも気になる2人の物語。数年前からのシリーズながら、息切れする事なくクオリティを保ち続けている所も評価につながった。この先の展開も楽しみだ。

村上食材レシピブックMURAKAMI Wonderfood (全4シリーズ)

広告主村上市役所
コメント

お役所が頑張っている。「説明的すぎて魅力にはいささか欠ける広報物」ではなく、民間に負けず劣らずの力作が増えてきた印象。迫力ある料理写真とシンプルな構図が見る人を引きつける秀作。 

むムm~ごくごくふつうのくらしをならべてみました告知ポスター

広告主村上市観光協会
コメント

一見すると何の広告か分からない。でも気になる。小さなイラストの細部にまでこだわりを感じる作品。色使いや全体のバランスもいい。

イオンと清水フードは家族になりました。

広告主イオンリテール(株)
コメント

親会社とスーパーの各部門で働く人たちを家族に見立てた作品。生き生きとした表情が、見る者を楽しい気持ちにしてくれる。分かりやすいコピーとシンプルな写真が合わさって力になっている。

テレビCM部門

優秀賞

「おとなプラス」旅立ち篇、寿司屋篇1・2・3

広告主(株)新潟日報社
制作社(株)新潟博報堂・(株)博報堂
コメント

新潟に所縁のあるタレント4人が「おとな」というキーワードから、それぞれの想いを語る。スタート感あふれる、はさ木ロケーションでの旅立ち篇、その後の寿司屋篇で繰り広げられるトークシーンのシリーズ。シンプルな絵、絶妙な間とトークネタのチョイスが光った。

奨励賞

プールが、呼んでる。

広告主明和工業(株)
コメント

ほのぼのとした中にも、スイムウェア姿のお母様のツッコミが強烈なインパクトを与える。お母様のアップも、シリーズ当初の威圧感から、見慣れてきたら愛嬌すら感じる。役がはまった!、役にはめられた?ナイスキャスティング。

企業 コメリシンボル篇60秒

広告主(株)コメリ
コメント

コメリのシンボルマークである「風見鶏」が企業姿勢を丁寧に案内するオールアニメーションの大作。見慣れたあのマークが、こっちだよと歩き回る。アニメにすることで親近感と想像力を膨らませる作品となった。

家族篇、惣菜篇、声篇、WAON篇

広告主イオンリテール(株)
コメント

大企業の合併劇はCMでは結婚式となった。新しい親戚と話すお父さんは、企業人の厳しい目から、親族に向けられる温かいまなざしに。見終わった後も、温もりが残るCMである。

うまい一滴をつくる。楽しい一瞬がつづく。

広告主吉乃川(株)
コメント

蔵人たちの酒造りに対する魂が醸し出される、混じり気のない純米酒のようなCM。BGMも年配者には懐かしい昔の吉乃川CMソングである。今聴いても古さを感じさせない。この楽曲(粋流の雫)と、映像が見事な感動を与えてくれた。

朝日山おつまみグランプリ「募集」篇30秒

広告主朝日酒造(株)
コメント

お酒に合うおつまみ募集告知CMであるが、日本酒をより身近な存在に感じさせる朝日山の一連のイメージ戦略があったからこそ、このCMは参加意欲をあおる。ついつい自分もと考えてしまう。おつまみのロゴも効果的だ。

ラジオCM部門

優秀賞

ストロングミルク/シリーズ①~④篇

広告主新潟県酪農業協同組合連合会
制作社(株)電通東日本新潟支社・(株)イマジネイティブ・ムービーズ
コメント

プロレス中継仕立てで「ストロングミルク」の得意技を紹介する好アイデアだ。テレビ部門にも応募があったが、こちらが秀逸。ラジオ中継というものの面白さも改めて感じさせてくれた。最後の「決め手」もいい。

奨励賞

ノムネ、聞き耳編

広告主朝日酒造(株)
コメント

ラジオならではの特性を、スパークリングのお酒に生かした。音で飲ませる広告のお手本のような作品。「乾杯の前に少し聴いて」「シュワッと幸せ」。ノムネというネーミングとともにしゃれた雰囲気の音がいい。

続 桃太郎編

広告主(株)新潟日報サービスネット
コメント

鬼退治した桃太郎が食品会社を立ち上げるという発想が楽しくて、思わず聴き入ってしまう。イヌの専務もユーモラス。「Otona+」という新媒体の折り込みチラシという込み入ったセールスを楽しませてくれる。

しおむすび編

広告主日産自動車(株)
コメント

「しおむすび」と「クルマ」「安全運転」という意外な関係を、おばあちゃんと孫娘のお互いを心配して思いやる言葉で結び付けている。聴くうちに温かくなる。耳で聴く言葉の力を教えてくれる。

サトウの鏡餅2016「宝船でどんぶらこ」篇

広告主佐藤食品工業(株)
コメント

これもテレビ部門にも応募があったが、ラジオ版の方が効果大。「かーがみもちもち」「さとうのもちもち」「ポイポイ」とリズミカルな響きがラジオにぴたり。Negiccoの良さも際立っている。

インターネット部門

優秀賞

DOCUMENTARY OF HOKUSETSU

広告主(株)北雪酒造
制作社(株)新潟博報堂・(株)ソルメディエージ
URLhttp://sake-hokusetsu.com/
コメント

風景と人を重ね合わせる。ドキュメンタリーの見本のような動画広告。佐渡の美しい風景の数々、真摯に酒造りに取り組む姿、関係者インタビューが端正に構成されている。商品広告であるだけでなく、IR広告としても効果が高いと思われる。

奨励賞

LIVE@YUZAWA

広告主湯沢町
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=QTEtw1XGN24
コメント

テンポのいい音楽と映像で、湯沢町の魅力を2分間に詰め込んだ移住定住促進プロジェクトのPR動画。東京から上越新幹線に乗れば、あっと言う間に住環境抜群の湯沢町をアピール。「LIVE@YUZAWA」はYAZAWAを意識したタイトルだろうか。