お知らせ

夏期広告大学を開催しました。

全広連夏期広告大学を7月19日(火)新潟日報メディアシップ2階、日報ホールで開催しました。
当日は会員と一般参加合わせて約150人の参加者が「地域創生~新しい解決の仕組み~」について3人の講師の熱い講演に聞き入りました。


深谷信介氏

【第一講座】
博報堂ブランドデザイン副代表、スマート×都市デザイン研究所所長、 名古屋大学未来社会創造機構客員准教授、千葉大学・茨城大学非常勤講師
深谷 信介氏
「地域創生の『イマ』」


平成の大合併以降人口流出、都市計画に悩む地方都市を再生してきた深谷氏。深谷氏が政策参与を務める富山県富山市、茨城県桜川市の事例を映像を交えわかりやすく解説しました。「まちづくりは今がチャンス。今あるものから、できるものから、ほんの少しの創意工夫を積み重ねること。これによりいずれ大きな花が咲く」。

富山市では生活に必要な機能を中心部に集め、公共交通機関整備しコンパクトシティを実現。まちづくりを進めるには「最後は人の気持ち。前向きな危機感の共有が必要」と熱く語りました。

山口綱士氏

【第二講座】
株式会社博報堂 テーマビジネス開発局/ブランド・イノベーションデザイン局ビジネスコンサルタント
山口 綱士氏
「地域広告のこれからの仕組みづくり~地域メディアの新たな役割~」


地方の魅力度ランキング低迷に悩む佐賀県を担当した実例を解説。佐賀県と大手ゲームソフトメーカーのスクエアエニックスの人気RPGゲームの「ロマンシング・サガ」とコラボ、その名も「ロマンシング・佐賀」というキャンペーンの実例を話しました。地元の特産品である有田焼の陶器に「ロマンシング・サガ」のキャラクターをデザイン、地元で販売したところこれが話題になり、これを目当てに来る観光客も増加したと言います。都市部で話題になることにより、地元があらためて地域の魅力に気づく結果となったそうです。

「地域企業の持つ地方の魅力、媒体の持つ情報力、発信力、コンテンツ、広告会社の持つ企画力。この3者がそれぞれの得意分野を活かし、そのまちらしい仕事づくりをすることが必要」と語り、このスクエアエニックスとのコラボ事例の他、宝島社と有田焼のコラボ、任天堂との事例も紹介しました。山口氏は最後に「ピンチはチャンス。これからはメディアが起点になってニュースをつくりプロデューサーになることが必要」と地域メディアの今後の役割について示唆しました。

河西智彦氏

【第三講座】
株式会社博報堂 総合プランニング局クリエィティブディレクター・CMプランナー・コピーライターコミュニケーションデザイナー・プロモーションプランナー
河西 智彦氏
「地域広告をアップデートする」


地域広告主を動かした事例として認知度ほぼ100%でありながら集客者数低迷に悩む大阪の「ひらかたパーク」を紹介。「活性化には『地元愛』×『メジャー感』が重要」とひらかたパークのキャラクターに地元枚方市出身の大物タレントV6の岡田准一氏を起用したエピソードを紹介しました。人気者の出演するコミカルなCMも話題になり、CM中で着用したパーカーを販売したり、岡田氏の目をデザインしたアイマスクを着用してアトラクションに搭乗し恐怖感を増幅するなどローコストで実現可能な新しい施策を次々に実施し、各メディアの注目を集めました。岡田氏も自身が出演するトーク番組で紹介するなどメディアでの露出も増え結果的に来場者数が増加。河西氏は「人は目的が2つあると動き、2つ以上あるとより多くの人が動く。知っていて行かない場所に来させるには第三者情報が効果的。地元×メジャー感。地元メディア。地元メディアとともに地元の人にお得を」と活性化のツボを示すとともに意識を変えること客観視することの重要性を説きました。

3講座終了後は、会場から質問が相次ぎ、熱気のうちに夏期広告大学を終了しました。