第62回 新潟広告協会
新潟広告賞入賞作品

新潟県内で制作された優れた広告作品を顕彰し、地域広告のレベル向上を図ろうと昭和34年に創設された「新潟広告賞」。62回目の今回は200点の応募がありました。2月6日の厳正な審査を経て、選ばれた入賞作品は以下の通りです。

審査員長福井 崇人氏(京都芸術大学客員教授・クリエイティブディレクター)
審査員 関谷 隆氏(アートディレクター)
比留川 勇氏(フォトグラファー)
渡辺 奈美子氏(アートディレクター・デザイナー)
佐藤 明(新潟広告協会理事長)
講評

「広告の力で、ウィズ、アフターコロナにおいてピンチをチャンスと捉え固定概念を破る。」2020年の新潟広告賞の審査テーマです。
グランプリの公益社団法人新潟県観光協会「新潟ウチごはんプレミアム」ポータルサイトです。
新型ウイルス禍によりおウチ時間が増えたことで自炊やEC需要が高まりました。
日本海ガストロミーを支える旅館、ホテル、飲食店の食の達人によりご家庭でもできる日替わりレシピを紹介するポータルサイトを制作、観光情報発信に生かすことに成功しました。
新潟の「宿」は次のホスピタリティのために「安心」に取り組み、一歩前進をはじめたことを新聞広告で告知したのは、新潟県旅館ホテル生活衛生同業組合/公益社団法人新潟県観光協会です。
FMポートの閉局をテーマに著名なパーソナリティーを起用したラジオコマーシャルを制作したのは(株)コロナの「コロナ除湿器」です。
「来てくれないと、つぶれるよ」という衝撃的なコピーのサントピアワールド「ぎりぎりアトラクション」シリーズのポスター展開がありました。
グランプリ、優秀賞に選ばれたものに共通することは、ピンチをチャンスに捉えたものが多く 広告主、制作者の底力や迫力があり、審査委員一同勇気をいただきましたことを感謝いたします。



審査委員長 福井崇人(クリエーティブディレクター/京都芸術大学客員教授)

グランプリ


「新潟ウチごはんプレミアム」ポータルサイト
「新潟ウチごはんプレミアム」配信動画(のっぺ/車麩たの角煮/ルレクチェのマリナートとお米の香りのパンナコッタ)
広告主公益社団法人新潟県観光協会
制作社(株)新潟博報堂/プロメディア新潟/SUNDAY/プランエム
部門インターネット
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グランプリの公益社団法人新潟県観光協会「新潟ウチごはんプレミアム」ポータルサイト。新型ウイルス禍によりおウチ時間が増えたことで自炊やEC需要が高まった。日本海ガストロミーを支える旅館、ホテル、飲食店の食の達人によりご家庭でもできる日替わりレシピを紹介するポータルサイトを制作、観光情報発信に生かすことに成功した。1月24日段階でUUが約26万から、多くの方にむけて新潟の食のPRができているようだ。

新聞広告部門

優秀賞

つなぐ、にいがた。三歩離れて、一歩前へ
広告主新潟県旅館ホテル生活衛生同業組合/公益社団法人 新潟県観光協会
制作社(株)新潟日報事業社/(株)ワークワンダース
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6月掲載の原稿と考えると、ゴールデンウィークの自粛活動が、やや落ち着いた時期での出稿と思われる。そのタイミングと新型ウイルス禍での広告活動の意味に、まさに「前進全礼」で取り組んだ真摯な表現だと思う。

奨励賞

にいがた希望の花火打ち上げプロジェクト
広告主にいがた希望の花火打ち上げプロジェクト協賛社80社
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県内、上越から下越まで、7カ所で花火を打ち上げるボランティア企画。新潟の花火には、長岡の花火大会に代表される様に鎮魂と祈りの意味がある。新型ウイルス禍において、その希望を絶やしてはならないという思いが作り上げた、シリーズ企画。労作だと思う。

ディスカバー上越#001~#005
広告主田中産業(株)
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ここ数年に渡り、上越の魅力を紹介してきたシリーズ広告。今回はその歴史・文化をさらに深く探究する。「ディスカバー上越」と題されたシリーズ広告は、内容、ビジュアル表現ともにユニークである。

100周年ティザー企業広告 水車篇
広告主(株)小嶋屋総本店
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創業以来、100年という歴史と志、またブランドとしての自信を語る広告。長きに渡り、変わらずそば作りを続けてきた思いは、激変する現代社会に生きる我々に、エールを送るような力強さを感じる。

「ものづくり大学には、ひとづくり先生がいる。」15段・5段シリーズ
広告主新潟工科大学
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大学の学生と先生のリレーションをテーマとする、シリーズ広告。真剣に学ぶ学生と温かく見守る先生の関係性を、ユーモア溢れるビジュアルで表現。親しみある大学のイメージを醸成している。

医療従事者応援キャンペーン
広告主医療従事者応援キャンペーン協賛各社
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新型ウイルス禍に於ける医療従事者に、応援メッセージを送る「にいがた結(結ぶ)プロジェクト」。医療従事者に感謝を伝える心温まるメッセージの数々は、また同時に、読者としての我々にも、エールを送るものとなる。

グラフィック広告部門

優秀賞

「ぎりぎりアトラクション!グラフィックシリーズ」
広告主サントピアワールド
制作社(株)新潟博報堂/NEXT TYPE
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来てくれないと、つぶれるよ。思わず行かなきゃいけない気にさせられてしまう脅迫の様なメッセージ。とても印象に残る、二度見してしまうイラスト。自虐をうまく利用して作られた広告。OKを出したサントピアワールドが素晴らしい。

奨励賞

「仁王立ち」篇
広告主全国農業協同組合連合会 新潟県本部
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中央にどーんと米俵を担ぐ稲垣啓太さん。陰影のある写真がとても力強く堂々、うまい。新潟米の表現と、合っており素晴らしい。背景の稲穂も黄金色で高級感があり新潟米の品質に自信がある生産者の気持ちが伝わり好印象だ。

摂田屋六番街
広告主ミライ発酵本舗(株)
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SETTAYA 6 AVENUE? 初めて見た時は正直何のポスターだろうと思ったが 駅のホーム、雪の中を歩く親子の雰囲気のある写真に目を奪われてつい他の文字情報を追う。もうこれでこのポスターの勝ち。写真の勝ち。

織物のあるまち小千谷から百年先の未来へつなぐ
広告主(株)わたや
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創業百周年、伝えたいことはたくさんあると思うが中央のそばの器、へぎに小千谷をぎゅっと詰め込み地域との関わりを表現したのは素晴らしい。文字の大きさも控えめなので、託している思いも気持ちよく伝わる。白の余白が印象的で良い。

「MURAKAMI FOOD SELECTION グラフィックシリーズ」
広告主村上市役所
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その場所へ行って観たくなる写真が良い。その料理を食べてみたくなる写真も良い。余白をうまく使って気持ちの良いレイアウトに仕上げてあるのが良い。

手を合わせるのは、人だから。
広告主(株)吉運堂
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手を合わせているイラストを使っているとてもシンプルな構図だが、人という文字に読ませる仕組みが面白くて良い。合わせている手を白抜きに、淡い背景色に良く合っているので柔らかい、優しい感じが伝わる。

テレビCM部門

優秀賞

三幸製菓 2020年秋 ブレークスルー篇15秒/60秒
広告主三幸製菓(株)
制作社(株)電通東日本新潟支社/(株)電通クリエーティブX
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今風のアニメに特化した作品だ。米菓というものを、中高生を中心とした若い女性をターゲットに特化してアピールした勇気と決断、戦略に大きな敬意を表したい。アニメも質が高く、商品とマッチしている。大人女子にも好感を持たれそうだ。

奨励賞

「仁王立ち」篇
広告主全国農業協同組合連合会 新潟県本部
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ラグビーW杯で活躍した「笑わない男」、稲垣啓太選手のキャラクターをストレートに生かした。ひたむきさや粘り強さ、実直さといったイメージと新潟米のうまさが見事に重なる。新潟の県民性まで表現しているように見える。

#負けない!ニイガタ「祈りの鐘 篇」
広告主(株)テレビ新潟放送網
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新型ウイルス禍の中で、宗派を超えた「祈り」をつないだところに意味がある。僧侶と鐘と祈りという、何の変哲もない組み合わせだが、丁寧なつくりの中で、自然な共感を誘う。お坊さんたちの表情がよかった。

NEXCO東日本新潟支社 企業広報CM 「安全を守り続ける 2020」篇30秒
広告主東日本高速道路(株)
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大きなスケールのトンネルや橋梁と、その中で、安全のために働く「人間の力」をよく表している。そして、トンネルや橋梁を抱く、さらに雄大な海や山という自然を描くことで、一層「人間」というものが浮かんでくる。

「ものづくり大学には、ひとづくり先生がいる。」篇
広告主新潟工科大学
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「ものづくり大学には、人づくり先生がいる」というコピーがいい。シリーズで登場する6人の先生のセリフも、それぞれに説得力があり、決まっている。工夫を凝らした映像も良く、「このCMの大学なら」と思わせる。

ラジオCM部門

優秀賞

コロナ除湿器
広告主(株)コロナ
制作社(株)電通東日本新潟支社/新潟県民エフエム放送(株)
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FMPORT閉局というデリケートな部分に製品PRを爽快に絡ませ、最後に、おなじみのパーソナリティの冷ややかなツッコミ。その落差がクスリと笑え、閉局を惜しむリスナーの心にも、一企業のCMを超え「PORTらしさ」までも伝わるような作品。

奨励賞

毒には毒を 篇
広告主新潟県青少年健全育成県民会議
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いいかげんな大人と翻弄される子供が、日常のありがちなひとコマとしてコミカルに切り取られ、難しいテーマながら敷居を低く、自分ごととして考えられるようなわかりやすさで心に入ってくる。自然な注意喚起に成功している。

佐久間食品 ラップ 篇
広告主佐久間食品(株)
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漬物とラップというギャップもおもしろく、韻の踏み方と歌詞の言葉選びが絶妙で不思議と印象に残りほっこりする。商品の気軽さ、親しみやすさも伝わり、軽快なリズムさながら、ポンと食卓に一品並べたい気持ちになる作品。






営業部長 篇/新しい機体 篇/技術立国 篇/昭和5年創業 篇/環境配慮 篇/高度な訓練 篇
広告主(株)共栄鍛工所
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有名ロボットアニメを彷彿とさせるキャラクターの語り口から、企業の無二の個性が印象深く浮かび上がる。多彩な視点のシリーズが世界観をうまく広げ、その厚みから企業の姿勢、パワーを感じPRに成功している。


ヤスダヨーグルト Classic 「うんめぇ~」篇/「なにそれ?」篇
広告主(有)ヤスダヨーグルト
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王道のクラシック音楽が明快なモチーフとなり耳に飛び込んでくる。そこから繰り広げられるやりとりも楽しく、うまく商品に落とし込んでいる。商品名が強く印象に残り、味への興味もそそられる作品。

インターネット広告部門

優秀賞

豊栄病院看護師採用動画 新人篇
広告主新潟県厚生農業協同組合連合会豊栄病院
制作社(株)ユニークワン/(株)プロメディア新潟
URLhttps://www.toyosaka-hospital.jp/
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実在する看護師を自然体でコマーシャルに登場させたことで、病院での働き方が身近に感じられ共感が得やすい内容になっている。病院勤務を希望している新人にとっては、ハードルが下がったり、憧れの職場になっているかもしれない。

奨励賞

弥彦競輪オリジナルプロモーションミュージックビデオ「Ring Ring Ring」
広告主弥彦村公営競技事務所
URLhttp://www.yahikokeirin.com/
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ターゲットを明確にしたことが新しい。ミュージックビデオのコンテンツにしたことが、ラップと競輪のギャップが話題性につながり認知アップにつながることになるのではないか。

小千谷市プロモーションビデオ「小千谷こい唄」篇
広告主小千谷市
URL https://www.city.ojiya.niigata.jp/
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恋愛をテーマにしたミュージックビデオのコンテンツにしたことが斬新である。歌や動画の力で小千谷市の認知や共感に繋がっているのではないか。

朝日酒造公式動画「自然篇」、「酒造り篇」、「瓶詰め篇」
広告主朝日酒造(株)
URLhttps://www.asahi-shuzo.co.jp/
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酒造りの物語を、自然と人が一体になって美しい映像になっている。生産場所や作る人や時間を表す季節など美しい物語を共有することで動画を見る世代へブランド好感度が上がるのではないか。

ブランドムービー「見えない想いに気づく人は、あなたを想う人。」
広告主(株)スミック
URLhttps://smic-n.co.jp/
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新型ウイルス禍において、シングルマザーの子育てと、高校生の部活や進路について向きあった感動的なショートムービーである。人を大切に想うまっすぐな会社の信念は、見る人を共感させ、ブランドを向上させ、リクルート効果も見込めるのではないだろか。

「つなぐ、にいがた。」~今日を明日へ、想いを未来へ~
広告主公益社団法人新潟県観光協会
URLhttps://niigata-kankou.or.jp/
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新潟の総力を上げた迫力と感動的な動画である。多くの方が協力しないと完成しない企画であることからプロデュース能力が問われる内容であり、やり切った努力賞ものである。