お知らせ

恒例 新潟広告協会セミナーが開催されました。

価値観が多様化している現代社会において、企業発信のメッセージは生活者にどのように受け止められるか、そうした視点が特に求められています。今回は「ダイバーシティ時代のコミュニケーション~LGBTと企業」と題し、株式会社LBGT総合研究所 代表取締役社長 森永 貴彦氏を講師に迎え、11月27日新潟日報メディアシップ日報ホールにおいて聴講者約100名の会員が参加しセミナーが開催されました。 1時間半のセミナーでは、LGBTの基礎知識、様々な『性』のあり方を尊重した表現はもちろん、新しい価値・機会領域の発見や創造していく取り組みが求められている状況について事例を交え講演されました。
要旨は次の通り。


森永さん

◆第1部:基礎知識 LBGT・さまざまな性のあり方

LGBTとは性的マイノリティの総称の一つとして用いられる。Lesbian Gay Bisexual Transgender の頭文字から構成されている言葉。LGBTの出現率は全国20~50代の約5.9%、その他性的少数者を含めると国内約8%と判明。構成要素としての身体性(からだの性)、性自認(こころの性※戸籍性と性自認が異なる場合がある)、性的指向(好きになる性)、性表現(ふるまう性)これらの組み合わせによって理解する事ができる。トランスジェンダーと性同一障がいはイコールではない。セクシュアリティは目に見えないアイデンティティ。誤解と思い込みへの注意喚起が必要。


◆第2部:基礎知識 数字で知るLGBT・性的マイノリティ

LGBTという言葉は浸透しつつあるが内容理解は低い。非LGBTによる言葉の認知率は53.4%、理解率は33.2%。当事者のカミングアウト意向は41.5%。LGBT当事者の59.3%がLGBTに対する社会の理解が誤ったものが多いと感じている。セクシュアリティは秘匿すべき個人情報。誤解や偏見が多いことで当事者はストレスを抱えやすい。否定的言動、ジェンダーに基づく偏見、カミングアウトや暴露に対するストレスなどは正しい理解の浸透で軽減が期待される。ほかの人と変わらないコミュニケーションを。


◆第3部:コミュニケーション視点 マーケティング視点で見るLGBT

世界には4.8億人を超えるLGBTが存在。グローバル化する経済環境で決して無視できない存在。LGBTの購買力は5.4兆USドル、企業がそのマーケットを狙ったコミュニケーションを発信するケースが増えている。特性としては、高い消費力、高い情報感度、イノベーター気質。情報収集力・情報発信力ともに高い。新しいもののトライアルに積極的な傾向。ネットリテラシーの高さから「ターゲット」ではなく「インフルエンサー」と捉えることがカギ。ダイバーシティ推進は組織に新たな価値の創造をもたらす。イノベーションを見据えた取り組みの進め方として違いを理解する事、異なる価値観を取り込む事、新たな価値を創る事、以上の3ステップを道順としてプランニングしていく。ポイントは社内資産(人材)社外資産(提供価値)を意識して進める事。マーケティングにおいてもLGBTを正しく知る・当事者の視点を通す・感性を活かす。以上の3ステップで進める

大日養鯉場

◆第4部:コミュニケーションデザイン上の留意点

流通、旅客輸送、通信サービスなど大手企業の広告表現、ビジュアルの事例紹介。 マスアプローチは支援型やアイコンタクト型(当事者認知)など多数の事例紹介と解説。