お知らせ

広告セミナー「新之助」から見る米どころ新潟の未来を開催しました。

神部淳氏

神部淳氏

12月18日、新潟日報メディアシップ2階・日報ホールで、広告セミナー「『新之助』から見る米どころ新潟の未来」を開催しました。講師は新潟県農林水産部農業総務課政策室長の神部淳氏。「こしいぶき」のデビューや米の輸出にも携わった神部氏の、新潟県農業の現状から「新之助」の開発経過やデビュー戦略、そして県農業の未来の話に、約90人の会員が耳を傾けました。講演要旨は以下の通りです。

セミナー

○新潟県農業の現状

振り返ってみると、この30年の間にも県内の農業は大きく変わった。県内の農業従事者は頑張っているが、薔薇色のような生活には至っていない。人口減に伴い、生産量は昔と比べて減少しており、それをどう埋めていくのかという課題もある。
 一方で80歳を過ぎても健康な人は自由に従事できるというのが農業の魅力のひとつ。基幹的農業従事者は10年前の3分の2、平均年齢は68.4歳と高齢化しているものの、農業法人の数は順調に増加し、新規就農者の数はこの2年で280人程度増加し、県が掲げた目標通りに推移している。
 順調に農地の規模拡大は進んでいるが、本県の農業産出額は直近で約2400億円と、平成6年の約半分。米については、全国的な精算調整が行われ、残念ながら米菓も下がっている。園芸や畜産も含めてこのままでは良くないので、県は農業産出額を増加させる目標を掲げながら取り組みを続けている。

○「新之助」の開発経過とデビュー戦略

開発は、平成20年に始動。地球温暖化に備え、現在より高温になっても品質が高くおいしい、またコシヒカリとは違う時期に収穫できるものを目指した。
 「新之助」は、大粒でツヤがあり、ほぐれやすいが粘りも強く冷めてもおいしい。ブランド構築に向け、名称はスタイリッシュな現代的日本男児をイメージした。今まで人の名前は付けるべきではないとされていたが「思い切った名前」「親近感が持てる」など好評だ。「ハレの日のお米」として格別感を表現したパッケージの評判も良好。認知拡大のために①喫食機会の確保②パブリシティを狙った情報発信③企業コラボによる多角的な情報発信、に取り組んだ結果「秋の新米の主役」として各種メディアに取り上げられ、認知定着につながった。今後もプレミアム米として地位の確立を目指していく。

【会場からは質問も出ました】

Q 「新之助」と「コシヒカリ」のPRの違いは?

 PRを県のみで行うのではなく、生産者自身もPRしている。また、行政としてはかなり多額の広報予算をとっている。

Q 「新之助」の反響・評価に年代で差が現れているか?

 漠然と広告するのではなく、ターゲットを女性や高齢者に絞った。男性に比べて女性はCMを見たと答える人が多く、ターゲットにヒットしたと実感している。