お知らせ

見学会「県の鑑賞魚 錦鯉の里を行く」小千谷市におじゃましました。

 

17年5月に県の鑑賞魚に指定され、近年海外での人気が高まっている錦鯉。長岡市と並ぶ産地・小千谷市の飼育現場におじゃまし、これからの展望などお聞きしてきました。
 みぞれの降るなか、11人を乗せたバスは一路、「錦鯉の里」小千谷市へ。サンプラザで3人が合流し、一行14人は養鯉場社長で全日本錦鯉振興会顧問の間野泉一さんのお話を聞きました。


間野さん

◆もとは食用鯉

間野さんによれば、錦鯉のルーツは冬場のタンパク源として飼育していた食用真鯉。今から240年ほど前、突然変異で色鮮やかな個体が出現、「色鯉」「花鯉」などと呼ばれていましたが、昭和30年代に「錦鯉」と命名されたそうです。
 好景気とともに関西・九州で人気が高まり、列車のデッキに乗せ運んだそうですが、現在と違い酸素や運搬機材は不十分、木の桶に水を入れただけ、列車の揺れで水は減る、地下水を足しながら3泊4日で九州へ…みな大阪あたりで死んでしまい、強い個体でなければ九州までたどり着かなかった、という話は時代を感じおもしろかったです。
 その後、田中角栄首相時代に中国に贈られたのをはじめ、欧米、南アフリカ、東南アジアとひろまり、現在は16億円ほどの産業に成長しました。「生産の後継者はいるんだが、国内の愛好者の後継者がいなくてねえ」と表情を曇らせる間野さん。「じいちゃんがなくなったら、池を埋め立てるというのが多くて」と産地を悩ませています。そのためにも、国内・地元での認知を高めたいとのこと。


◆平和の魚

大日養鯉場

続いておじゃました大日養鯉場さんでは飼育中の錦鯉を見学。30キロもあるという紅白、金、銀の「泳ぐ宝石」たちのゆったりした様子を眺めるにつけ日ごろのせかせかした気持ちが静められていくようです。「錦鯉は縄張りをつくらず、池の中でケンカしません。平和の魚、と言われる理由です」と社長の間野太さん。県の鑑賞魚として、働き方改革が叫ばれるようなこんな時代と泳ぐ魚として、もっと新潟の生活に浸透していってほしいと思いました。
 見学にあたり、コーディネイトしてくださった小千谷市錦鯉漁業協同組合のみなさま、ありがとうございました。